て,多面性をもつfluencyの評価が可能になる」(p.281)と指摘する。つまり,fluencyの測定結果はタスク遂行前の準備時間のみならず,タスクに与える条件によって大きく異なることを意味する。Byg-ate(2001)のリサー チによれば,同じタイプのタスクを繰り返すことで学習者は自らの発話内容構築に意識を集中することができ,complexityが高まることがわかっている。 6.生徒の発話に対する教師の修正的フィード バック ここでは生徒の発話に対する指導について考察する。授業における指導としては生徒の発話内の誤文訂正と発話内容へのコメントである。意味の伝達を主な言語活動(meaning-focused)とする考え方では,誤文訂正そのものが必要とされない。文脈やコミュニケー ションとは関係をもたせずに文法項目の学習を積み重ねて目標言語の統語法全体を習得させる指導法(Focus on formS)では,誤文の訂正方法は文法中心である。TBLT指導法ではコミュニケーション中に発話内容を確認しながら |
相手の文法的な言誤りに訂正を加える,つまり,意思伝達のためのコミュニケーショ ンを前提とした誤文訂正方法(Focus on form)を用いる。具体的には,目標言語の習得が未熟な学習者が行うcomprehension checks(自分自身の発話が理解されているかどうかを自ら確認すること),目標言語の習得が進んでいる学習者から求められるclarificalion requests(発語内容をより明瞭に述べ るよう求められること)やconfirmation checks(発話内容を正しく理解して話しているかどうか確認すること),あるいはrecasts(意味を変えることなく発話文中の誤りを正しく言い換えた訂正文を与えることで学習者の言語習得を補助しようとすること)などが ある。 表3はLyster&Ranta(1997)がイマージョ ン・プログラムで複数の科目における小学4−5年生の教師と生徒の対話を録音して分析 を加えた結果である。その分析をみると誤文訂正フィードバックで高い割 合を占めるのは recast訂正法であることがわかる。 Suzuki(2004)はLyster and Ranta(1997)のリサ |
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